見知らね国の
見知らね人の
喜びも悲しみも
全て貴方に繋がっている
何処のクラスにも1人や2人はいるような生徒だった。
僕が初めて彼女を見た感想は
なんとなく垢抜けない女と言うか、クラスに完全に溶け込んで無いと言うか。
忘れもし無い4月8日、なんとか入学した高校のクラスのドアを開いた僕の目の前にボ〜ッと窓の外を見つめる彼女が座って居た。それが佐藤今日子との初めての出会いだった。
「誠、なんかお前の隣の席の女、暗くね〜」
不意に同じクラスの山田がそう僕に話しかけきた。
彼の名前を山田賢一と言う。
幼稚園からの腐れ縁でなぜか高校まで一緒だ。
僕は賢一との関係を「呪われた腐れ縁」と言って居た。
佐藤は何とも不気味な女であった。何時も肩まで有りそうな長い髪で顔を隠すように下を向いていた。一度だけ彼女の顔を見た事があるのだが分厚い黒ブチのメガネに顔中ソバカスだらけだったので僕は何となく彼女のそんな行動の意味がわかった気がした。
しかし、不思議な事に佐藤の周りには常に俗に言う不良少女と呼ばれる輩達が溜まっていた。
最初は、いじめられているのかと思っていたが何となくそうでも無いらしい。
「お前、マジで不幸だよな!絶対に、彼女作ろうって誓ったのに隣がゾンビ女じゃ」
賢一はそう言いながら自分の隣の席の1人の女性を見つめた。
彼女の名前は、本田淳子と言って何となく清楚な感じの美人系の女で、高校生活は最初の隣の席の女で決まる!と常に言っていた賢一にとっては、きっと大当たりだったに違いない。