「さっ、先輩。文化祭楽しみましょ」



立ち上がり、手を差し出す原くん。


この手を掴んだら

もう後には戻れない気がした。



いや、戻る場所はもう無いんだ。



重い自分とはおさらばだ。



ごめんね、のり。



私、一途すぎたわ。



原くんの元へ伸びた手。


それは私よりはるかに大きい手によって

阻止された。