「ちょっと待って下さい。何も弄んだりしてません」
「じゃあなんであの時ホテルに入ったんだ。お前達が出てくるところを俺は見たぞ」
「えっ、ああ、あれですか。でも氷室さんどこで見てたんですか?」
「あれ…… だと」
氷室の怒りは頂点に達し、握り締めた拳がぶるぶると震える。
「氷室さん、ちょっと待って下さい。まるで殴りかかってきそうだ。落ち着いて下さい。こうなったのも氷室さんのせいなんですよ。殴りたいのは俺の方なんですから。それに俺たちホテルには入りましたが、何もしてません」
「えっ?」
一瞬で氷室の震えが止まった。
「あの時、タフクが氷室さんの姿を見て急に態度がおかしくなったんです。なぜか暴走して自棄になって自ら『ホテルに行こう』って俺を誘いました。あれは何か理由があって無茶な行動に走っただけです。彼女はそんなこと望んでもいなかったくせに。俺はそれに気づきました。だから彼女の言う通りに中に入ったんです。彼女は極限まで追い込まれないと自分が何をしでかしているか気がつかない。それは氷室さんもよくご存知じゃないでしょうか?」
氷室もそれには同意して、小さく声が漏れるように 「ああ」と答えていた。
「だから俺が気づかせたんですよ。タフクの本当の気持ちはなんなのか」
氷室の意識は飛んで放心したように立っていた。
あの日、なゆみはジンジャとホテルに入り、勢いだけで事を起こしていた。
ジンジャにキスをされ、腕の中でぎゅっと抱きしめられた後、ベッドの上に押し倒された。
そしてジンジャのなすがままに身を委ねていたはずだった。
それは自分で決心したことであり、後には引けないと自らそう思い込んでいた。
Tシャツが上に捲くれ上がり、ジンジャがブラジャーを外そうとしたとき、どうしてもそれ以上できずに震えを生じ、ずっと突っ走って無理していた気持ちが突然崩れ落ちてしまった。
それと同時に心の中の真の気持ちがつるっと剥けるように表れた。
「ジンジャ、やめて」
自分がしでかしている事の大きな間違いに気がつくと、なゆみは両手で顔を覆って泣き出してしまった。
ジンジャの手はそこで止まった。
「じゃあなんであの時ホテルに入ったんだ。お前達が出てくるところを俺は見たぞ」
「えっ、ああ、あれですか。でも氷室さんどこで見てたんですか?」
「あれ…… だと」
氷室の怒りは頂点に達し、握り締めた拳がぶるぶると震える。
「氷室さん、ちょっと待って下さい。まるで殴りかかってきそうだ。落ち着いて下さい。こうなったのも氷室さんのせいなんですよ。殴りたいのは俺の方なんですから。それに俺たちホテルには入りましたが、何もしてません」
「えっ?」
一瞬で氷室の震えが止まった。
「あの時、タフクが氷室さんの姿を見て急に態度がおかしくなったんです。なぜか暴走して自棄になって自ら『ホテルに行こう』って俺を誘いました。あれは何か理由があって無茶な行動に走っただけです。彼女はそんなこと望んでもいなかったくせに。俺はそれに気づきました。だから彼女の言う通りに中に入ったんです。彼女は極限まで追い込まれないと自分が何をしでかしているか気がつかない。それは氷室さんもよくご存知じゃないでしょうか?」
氷室もそれには同意して、小さく声が漏れるように 「ああ」と答えていた。
「だから俺が気づかせたんですよ。タフクの本当の気持ちはなんなのか」
氷室の意識は飛んで放心したように立っていた。
あの日、なゆみはジンジャとホテルに入り、勢いだけで事を起こしていた。
ジンジャにキスをされ、腕の中でぎゅっと抱きしめられた後、ベッドの上に押し倒された。
そしてジンジャのなすがままに身を委ねていたはずだった。
それは自分で決心したことであり、後には引けないと自らそう思い込んでいた。
Tシャツが上に捲くれ上がり、ジンジャがブラジャーを外そうとしたとき、どうしてもそれ以上できずに震えを生じ、ずっと突っ走って無理していた気持ちが突然崩れ落ちてしまった。
それと同時に心の中の真の気持ちがつるっと剥けるように表れた。
「ジンジャ、やめて」
自分がしでかしている事の大きな間違いに気がつくと、なゆみは両手で顔を覆って泣き出してしまった。
ジンジャの手はそこで止まった。



