「氷室さん、帰ってきましたよ。おうちですよ」
玄関は狭く、氷室を抱えて重なって入るのは一苦労だった。
部屋に足を踏み入れれば、湿気が篭った部屋の暑さがもわっと体を包み込んだ。
「暑い」
氷室がシャツのボタンに手をかける。
「ハイハイちょっと待って下さい。その前に靴を脱ぎましょうね」
リュックを玄関にどさっと置いて、氷室を壁にもたせかけたまま、なゆみはしゃがんでなんとか靴を脱がせた。
それから氷室を引きずるように廊下を真っ直ぐ進む。
途中に小さなキッチンとユニットバスがあり、目の前のすりガラス張りのドアをあけると八畳くらいの部屋に出くわした。
「えっと、電気のスイッチはどこだ」
その辺の壁を触ってスイッチを探しパチッとつけた。
明るくなってバーンと目に飛び込んできたその部屋はなゆみを驚かせた。
氷室を抱えたまま暫し呆然する。
そこは小さなアートの空間だった。
全体の色は落ち着いたアースカラーで統一され、ベッドもホテルのメイドを雇っているかのように完璧に整えられていた。
氷室の几帳面さが現れている。
壁側には小さな棚があり整理整頓されて物が並べられていた。
棚の一番上には、お洒落なオブジェがついたブックエンドと本が置かれていたが、それは計算されたインテリアのように見えた。
フローリングの床にはセンスのいい大きなラグ、そして小さなかわいらしいテーブルもインテリア雑誌の写真に登場しそうなくらいに見栄え良く添えられている。
液晶テレビも存在感を出していた。
部屋の隅には設計用に角度が自由に変えられるデスクが置いてあった。
それはまさに完璧な部屋だった。
玄関は狭く、氷室を抱えて重なって入るのは一苦労だった。
部屋に足を踏み入れれば、湿気が篭った部屋の暑さがもわっと体を包み込んだ。
「暑い」
氷室がシャツのボタンに手をかける。
「ハイハイちょっと待って下さい。その前に靴を脱ぎましょうね」
リュックを玄関にどさっと置いて、氷室を壁にもたせかけたまま、なゆみはしゃがんでなんとか靴を脱がせた。
それから氷室を引きずるように廊下を真っ直ぐ進む。
途中に小さなキッチンとユニットバスがあり、目の前のすりガラス張りのドアをあけると八畳くらいの部屋に出くわした。
「えっと、電気のスイッチはどこだ」
その辺の壁を触ってスイッチを探しパチッとつけた。
明るくなってバーンと目に飛び込んできたその部屋はなゆみを驚かせた。
氷室を抱えたまま暫し呆然する。
そこは小さなアートの空間だった。
全体の色は落ち着いたアースカラーで統一され、ベッドもホテルのメイドを雇っているかのように完璧に整えられていた。
氷室の几帳面さが現れている。
壁側には小さな棚があり整理整頓されて物が並べられていた。
棚の一番上には、お洒落なオブジェがついたブックエンドと本が置かれていたが、それは計算されたインテリアのように見えた。
フローリングの床にはセンスのいい大きなラグ、そして小さなかわいらしいテーブルもインテリア雑誌の写真に登場しそうなくらいに見栄え良く添えられている。
液晶テレビも存在感を出していた。
部屋の隅には設計用に角度が自由に変えられるデスクが置いてあった。
それはまさに完璧な部屋だった。



