テンポラリーラブ物語

 ラブホテルに入るのは、なゆみにとって二回目だった。

 一回目は氷室と成り行き上で入ってしまったが、それは吐くためだった。

 今回は違う。

 やはり、部屋に入れば緊張してしまった。

 ここも大きなベッドが部屋の中で存在感を表していた。

 それを見て圧倒されていると、ジンジャは何も言わずにメガネをはずし、側にあったテーブルの上に静かに置いた。

 眼鏡を掛けてないジンジャは、また雰囲気が違った。

 それだけじゃなく、急に真剣な目をしてゆっくり近づいて来た時は、もっと違った人に見えた。

「ほんとにいいのか?」

 なゆみには返事する声もだせなかった。

 極限まできて、すでにヒューズが飛んでいた。

 かろうじてコクリと首を縦に振れば、ジンジャは迷うことなくなゆみに触れた。

 なゆみの頬を手の甲を向けてすーっと一撫でする。

 それがなゆみをぞくっとさせた。

 その後に唇を重ね、最初はゆっくりと何度も合わせていただけだが、ジンジャは次第に激しさを増した。

 なゆみはそれに一生懸命応えようとするが、ジンジャの唇の動きについていけず、ぎこちない。

 ジンジャは一度動きを止めて、なゆみを見つめた。

「初めてなのか?」

 なゆみは恥じらいで頷く。

 ジンジャはなゆみの体を腕の中に入れ込み、ぎゅっと抱きしめた。

 今度は耳元で息を吹きかけるように優しくキスをした。

 なゆみの体の力が抜けていくと同時に、ドキドキとして体が熱されていく。

 徐々にベッドに追いやられて、なゆみはすとんと落ちるようにその縁に座わらされた。

 ジンジャはなゆみをしっかりと見つめ、そして自分のシャツを荒々しく脱いではそれを無造作に床に放り投げた。

 上半身裸で、迫ってくるジンジャはいつものジンジャのイメージとは程遠く、野生の部分が押し出されている。

 ジンジャがなゆみの肩に手をおくと、そのまま後ろに倒した。

 そしてなゆみの顔を上からじっと眺めて覆いかぶさり、また唇にキスをした。

 そこから首筋へと下に向かっていったときなゆみは、震えてしまった。

 なゆみは目を硬く瞑ってジンジャにされるがままになっていった。