ケーキを食べたお陰で、なゆみの空腹は紛れ、その美味しさの余韻がずっと続いていた。
ケーキの控えめな甘さが氷室の優しさと重なっていつまでも舌先に残っていた。
氷室の温かい気持ちが体に沁み込んでいくようで、なゆみはどこかふわふわとしてしまう。
その時、手が滑って商品を落としてしまい、それを追いかけて拾って頭を上げたら、壁際で出っ張っていた棚に頭をぶつけてしまった。
大きな音がお寺の鐘のように響く。
「痛!」
なゆみは星が出るほどに衝撃を感じくらくらしていた。
「お前何やってんだ?」
氷室が一部始終を見てたのかケタケタと笑っている。
「大丈夫? サイトちゃん」
千恵も、心配しながらも笑っていた。
なゆみも頭を抑えながら、自分の失態におかしくなって一緒に笑ってしまったが、痛さはすぐには消えない。
前屈みになって顔を歪めながら、必死にその痛さを我慢していた。
すると氷室はなゆみに近づいた。
「相変わらず、なんか抜けてるなお前は。ほら、痛いの痛いの飛んでいけ!」
氷室がからかうようになゆみの頭をなぜなぜしだした。
冗談でも、すーっと痛みが消えていくから不思議だった。
氷室の大きな手はいつの時もなゆみを救ってくれる。
なゆみはその氷室の手が好きだと思った。
酔っ払って吐いたときに背中を擦ってくれた手、泣くなと頭をくしゃっとして慰めてくれた手、全てを任せろと自分の手を握ってくれた手、そしてこの時も 痛みを和らげようと撫ぜてくれている。
(氷室さんのあの大きな手にどれほど助けられただろう)
ふとそう思ったとき、急に胸が締め付けられる。
だけどそれを一生懸命沈めようとぐっと堪えていた。
ケーキの控えめな甘さが氷室の優しさと重なっていつまでも舌先に残っていた。
氷室の温かい気持ちが体に沁み込んでいくようで、なゆみはどこかふわふわとしてしまう。
その時、手が滑って商品を落としてしまい、それを追いかけて拾って頭を上げたら、壁際で出っ張っていた棚に頭をぶつけてしまった。
大きな音がお寺の鐘のように響く。
「痛!」
なゆみは星が出るほどに衝撃を感じくらくらしていた。
「お前何やってんだ?」
氷室が一部始終を見てたのかケタケタと笑っている。
「大丈夫? サイトちゃん」
千恵も、心配しながらも笑っていた。
なゆみも頭を抑えながら、自分の失態におかしくなって一緒に笑ってしまったが、痛さはすぐには消えない。
前屈みになって顔を歪めながら、必死にその痛さを我慢していた。
すると氷室はなゆみに近づいた。
「相変わらず、なんか抜けてるなお前は。ほら、痛いの痛いの飛んでいけ!」
氷室がからかうようになゆみの頭をなぜなぜしだした。
冗談でも、すーっと痛みが消えていくから不思議だった。
氷室の大きな手はいつの時もなゆみを救ってくれる。
なゆみはその氷室の手が好きだと思った。
酔っ払って吐いたときに背中を擦ってくれた手、泣くなと頭をくしゃっとして慰めてくれた手、全てを任せろと自分の手を握ってくれた手、そしてこの時も 痛みを和らげようと撫ぜてくれている。
(氷室さんのあの大きな手にどれほど助けられただろう)
ふとそう思ったとき、急に胸が締め付けられる。
だけどそれを一生懸命沈めようとぐっと堪えていた。



