氷室のテーブルもコース料理を食べながら、氷室と幸江を中心とした会話が語られていた。
「コトヤさんの好きな食べ物はなんですか」
「トンカツ」
なゆみも好きだと言っていたもの。
これが一番最初に浮かんだ。
子供の受け答えのように、単語一つしか返さないので、幸江は次の会話に困っていた。
当然この時も、氷室の父親は足を蹴っていた。
幸江の父親が、気を遣いなんとか助け舟を出そうとした。
「コトヤ君はどんな女性のタイプがお好きかね」
「そうですね、明るくて、楽しくて、おしゃべりで、面白くて、気配りができて、素直で素朴でかわいい子です」
「まあそれはうちの幸江にぴったりですわ。オホホホホホホ」
幸江はにこっと氷室に微笑んだ。
(全然違うじゃないか。その子はあそこにいるんだよ!)
「コトヤくんは幸江のことを気遣ってそのようなことをおっしゃって下さったんですね」
幸江の父親の言葉など聴く耳持たずに、やはりなゆみを見ていた。
つまらない会話はその席に座ってる限り終わることはなかった。
だらだらと時間が流れていく。
どれだけの時間が経ったかも分からなかったが、コースはデザートを残すだけとなっていた。
もうすぐ開放されると思っていた時、なゆみ達が席から立ち上がった。
氷室は当然それを目で追った。
そしてジンジャと目が合うと、バチッと音がなるくらいお互いの視線がぶつかり合った。
なゆみは後ろを振り向かず、むしろ見てはいけないとぎこちなくそこを去って行く。
ジンジャは見せ付けるようになゆみの手を握っていた。
思わず氷室は感情を抑えきれずテーブルを叩いて立ち上がってしまう。
「コトヤ! 突然どうしたんだ」
氷室ははっとして、なんとか取り繕ってにこっとすると「すみません。ちょっとお手洗いに」と言ってそそくさ席を離れた。
「いや、どうもすみません。息子はとても緊張するとちょっとアレでして」
氷室の父親はひたすら汗を拭きながら謝っていた。
「コトヤさんの好きな食べ物はなんですか」
「トンカツ」
なゆみも好きだと言っていたもの。
これが一番最初に浮かんだ。
子供の受け答えのように、単語一つしか返さないので、幸江は次の会話に困っていた。
当然この時も、氷室の父親は足を蹴っていた。
幸江の父親が、気を遣いなんとか助け舟を出そうとした。
「コトヤ君はどんな女性のタイプがお好きかね」
「そうですね、明るくて、楽しくて、おしゃべりで、面白くて、気配りができて、素直で素朴でかわいい子です」
「まあそれはうちの幸江にぴったりですわ。オホホホホホホ」
幸江はにこっと氷室に微笑んだ。
(全然違うじゃないか。その子はあそこにいるんだよ!)
「コトヤくんは幸江のことを気遣ってそのようなことをおっしゃって下さったんですね」
幸江の父親の言葉など聴く耳持たずに、やはりなゆみを見ていた。
つまらない会話はその席に座ってる限り終わることはなかった。
だらだらと時間が流れていく。
どれだけの時間が経ったかも分からなかったが、コースはデザートを残すだけとなっていた。
もうすぐ開放されると思っていた時、なゆみ達が席から立ち上がった。
氷室は当然それを目で追った。
そしてジンジャと目が合うと、バチッと音がなるくらいお互いの視線がぶつかり合った。
なゆみは後ろを振り向かず、むしろ見てはいけないとぎこちなくそこを去って行く。
ジンジャは見せ付けるようになゆみの手を握っていた。
思わず氷室は感情を抑えきれずテーブルを叩いて立ち上がってしまう。
「コトヤ! 突然どうしたんだ」
氷室ははっとして、なんとか取り繕ってにこっとすると「すみません。ちょっとお手洗いに」と言ってそそくさ席を離れた。
「いや、どうもすみません。息子はとても緊張するとちょっとアレでして」
氷室の父親はひたすら汗を拭きながら謝っていた。



