テンポラリーラブ物語

 仕事が終わればなゆみは英会話学校へと足を向けるが、今度は二階が試練の場と変わりつつあった。

 ジンジャに会ったらどんな顔をしていいのかわからない。

 出会ってしまったときはぎこちなくなる態度が目に見えて、その時を怯えてしまう。

 ジンジャと出会うことをどこか恐れている。

 だからビクビクとしていつも英会話学校の入り口をくぐっていた。

 だが不思議なことにジンジャも坂井もすっかり見なくなってしまった。

 きっと昼間のレッスンを取ってるに違いない。

 自分がジンジャならきっと避ける道を選ぶだろう。

 なゆみは何日も会わなくなったことで、そう思えてきた。

 開き直りも入ってしまうと、なんだか急に学校の中が色あせて見えてくる。

 冷静に考えれば、いつかはここともお別れする日が来てしまう。

 そうなればジンジャと会うこともなく、物悲しい思いに捉われてしまった。

 だけどここはあくまでも学校であり、学ぶところで遊ぶところではない。

 留学を控えている身なのだから一生懸命練習しなくてはと、なゆみは邪念を捨て、ジンジャのことを考えないようにした。