「ここが璃莉葉ちゃんの部屋?」
「ちょっ、利夏くん勝手に開けないで…!」
隙を見て家の中に入ったと思ったら、何食わぬ顔で階段を上り、勝手にあたしの部屋に入った利夏くん。
「もう!利夏くんってば…わ!?」
「…そんな熱くないね」
いきなり振り返った利夏くんは、なんと自分のおでこをあたしのおでこにくっつけた。
顔ッ、近いッ!!!!!
「でも顔は真っ赤だね?笑」
「もうっ!絶対遊んでるでしょ!!意地悪しないで!」
「意地悪って…ただ看病してるだけだよ」
「嘘だ!!」
「ほんとだって…身体、熱くない?着替えた方がいんじゃない?着替え手伝おっか?」
「だだだだ大丈夫です!!!」
「そう?じゃあとりあえず寝なよ」
「キャッ!?」
利夏くんはあたしの身体をふわりと持ち上げ、ベットに寝かせた。
い、今…
お姫様抱っこ…!!!!
「なんか食べれる?」
「食欲ないから…」
「そっか、じゃあ…」
「ちょッ!?何してるの!?」
あろうことか利夏くんは布団をめくってベッドの中に侵入してきた。
「添い寝的な?」
「そ、添い寝って…////風邪うつっちゃうからだめ!!」
「風邪なんてひいてないでしょ」
「え…」
「どうせ仮病でしょ」
「う…」
「なんで泣いたの?目、腫れてる」
「別に…利夏くんには関係ない…」
「璃莉葉ちゃん、俺の方ちゃんと見て」
「…やだ!」
「ねぇ、俺なんかしちゃった?」
「………」
「言ってくれないとわかんないんだけど…」
「…言わない」
「お願いだから、機嫌直してよ…」
「なんで?利夏くんには他にたくさん女の子いるじゃん、別にあたし1人とどうなったって支障ないでしょ」
「なんでそういうこと言うの…」
「だってほんとのことじゃん!あたしなんて…んむッ!?」
「…それ以上言ったら口塞ぐよ」
もう手でバッチリ塞いでるよ!!!
「全く、手の掛かる子だなぁ…ほら、よしよし」
「…ッ////」
利夏くんはあたしを抱き寄せ、頭をポンポンと撫でる。
「眠いんでしょ?ずっとこうしてるから寝ていいよ」
利夏くん、ずるいよ…
あたしのことなんてなんとも思ってないくせにどうして優しくするの?
こんなの、ずるすぎ…
あたしは利夏くんの胸に顔を埋める。
「利夏くん…好き…」
「うん、俺も好きだよ、女の子はみんな好き」
……デスヨネー。
今はそれでいいけどいつか絶対利夏くんの特別になってやる…!
あたしはそう決意して利夏くんの匂いに包まれながら眠りについた。