結局何もできずに放課後を迎えてしまった…
怜は今日もバイトで早々と帰っちゃったし…
あたしも帰ろう…
このままここにいても意味ないし。
あたしは鞄を持って席を立った。
利夏くん、今頃あの子と一緒に帰ってるのかな…
お昼はあの子の手作りのお弁当食べたのかな…
頭の中は利夏くんのことでいっぱい。
「璃莉葉ちゃん」
とぼとぼと歩いていると不意に呼ばれた名前。
俯いていた顔を上げると下駄箱の少し手前の壁に寄りかかっている利夏くんの姿。
「何組か知らなかったからここで待ってたらそのうち来るかと思って」
「どうして…」
どうしてここにいるの?
あの子は一緒じゃないの?
どうしてあたしを待ってるの?
聞きたいことはたくさんあるのに言葉が出てこない。
「なんか用あったんじゃないの?」
「…あった!でも、一緒に帰る子は…?」
「あぁ、なんか他校にいる彼氏と急に遊べることになったからってドタキャンされた」
「あ、そ、そうなんだ…」
彼氏がいるのに利夏くんと遊ぶって…
それって浮気にならないのかな…?
「で、用って何?」
「あ、あのね…あたし…」
「待って、よく聞こえない」
下校する生徒でこの場所は結構な賑わい。
「何?」
「…ッ////」
ふわりと香水の匂いが鼻を掠めた瞬間、目の前には利夏くんの綺麗な横顔。
利夏くんは少し屈んであたしの声が聞こえるように耳を傾けてくれた。
あ、ピアスの穴2個空いてる…
それに、耳まで綺麗な形…
なんて耳に見惚れてる場合じゃない!!
せっかく利夏くんがわざわざこうやって耳を傾けてくれてるのにあたしってば…!
「あたしね…」
再び口を開くけど肝心の言葉が言えない。
何せ自分から告白なんて人生で初めてのことだから。
全身は熱いし、鼓動はものすごい速さで脈打ってる。
言わなきゃ…
利夏くん、待ってるから…!
「利夏くんが…」

