気まぐれ王子と自己愛姫

[璃莉葉side]


「利夏くんっ!!」



たくさんの女の子に囲まれた利夏くんに思い切って声をかける。



「………」



あ、聞こえてなかったかな…


もう一度、次はちゃんと聞こえるよう、大きく息を吸い込んだ瞬間…



「何?」



振り返った利夏くん。

利夏くんの目が真っ直ぐあたしを捉える。


言わなきゃ…



「あ…あの、今日、放課後…時間あるかな?」

「どうし…」

「はぁ?ある訳ないでしょ?王子は今日私と帰るんだから!」



利夏くんの言葉に被せ気味に言い放つ隣の女の子。



「そ、そうなんだ…じゃあ昼休みでも…」

「昼休みは私のお弁当食べてもらうから無理」

「あ、えっと…じゃあ明日の放課後は…?」

「明日は私と帰る日だから」

「大体!王子の放課後、もうだいぶ先まで埋まってるよ?」

「ワンチャン半年先まで埋まってるんじゃない?」

「え、半年…」



そんなに待ってられないよ…

何か別の方法…



「じゃあ土日、とか言い出さないでよね!土日は自分から誘うの暗黙の了解で禁止だから!」

「そんな…」



それじゃああたし、どうやってこの気持ちを利夏くんに伝えたらいいの…!?



「どうでもいいけどそろそろ教室入った方がよくない?」



無言で私たちのやり取りを見ていた利夏くんが口を開く。



「ほんとだ、じゃあねぇ姫」

「王子のことは諦めなよ」




利夏くんたちは去って行き、その場に1人取り残されたあたし。


どうしよう…

あたしは利夏くんに気持ちを伝えることすらできないの…?