…ん?
腰に回っていた王子の手が離れ、顎をクイッとあげられると、近づいてくる王子の顔。
え?
え?え?え?
こ、これって…
そして今にも唇がくっつきそうな距離に。
あ、
あ、あ、あ…
「だ、だめーーーーー!!!」
あたしは全身の力を込めて王子を突っ撥ねた。
「…?」
「い、今…もしかしてキス、しようと…?」
「…?そうだけど…?」
「なッ!?」
「あ、自分からしたい派だった?珍しいね」
「そ、そうゆうことじゃなくてっ!!あたし、キスとかしたことないからっ…!」
「…キスだけは本命にとっておく的な?まぁそういう子もいるよね…でもぶっちゃけキスしないと雰囲気作れないんだよね〜」
王子はさっきから何を言ってるんだろう…
話、噛み合ってないよね…
「あ、クソビッチなら今更雰囲気とか気にしてないか、うん、じゃあとりあえずヤろっか」
「あの…ヤるって何を…」
「…は?何純粋ぶってんの?セックスに決まってんじゃん」
「セッ…!?!?!?そ、そんなのっ、あたししたことないっ…!!」
「はぁ…嘘つかなくていいから」
「う、嘘じゃないよっ!!」
あれ、なんか王子さっきと態度が…
「あー、たまに純粋なフリして好感持たせようとする子もいるけどさ〜、正直効果ないんだよね、俺ビッチでも気にしないよ?」
「いや…あの、ほ、ほんとなんだけど…」
「はぁ…まぁいいや、ハジメテ設定ね、おっけー、優しくするから、ね?」
そう言って王子スマイルを浮かべた王子の手があたしのワイシャツにかかる。
「や、やだっ!!!!!」
あたしはまたしても王子を突っ撥ねた。
「こんな、軽い気持ちで…遊びでそうゆうこと、できないよぉ」
「…は?だってビッチって……クソビッチだって…」
王子は何か小さくボソボソと呟いたけどあたしには聞こえなかった。
「じゃあ、璃莉葉ちゃんが仮にフリじゃなくてほんとに純粋な子だったとして……俺とヤりたくないの?」
王子ってば真剣な顔してなんてことを聞くの…
「遊びではイヤ。みんなの王子とはシたくないよ…」
「…あっそ、じゃあやることないし帰るね」
え…
王子はあたしの身体だけが目的だったの…?
あたしは王子と遊ぶの楽しみにしてたのに…
「待って!!!」

