男として、完璧に情けないけど、けど、葵は俺にとってはヒーローで。その優しさに救われてるんだ。

「...いつまでも、半分こなんてできないんだからね」

「え?」

少し憂いを帯びた表情で葵がそんなことをいう

「私もあんたも、歳を取るってことだよー!」

そう思ったら吹っ切れたような顔をして葵が走り出す。

「え、あっ、葵!!」

慌てて俺も追い掛けるけど葵は近くの公園に入ってジャングルジムの1番上に乗っていた。

学校帰りで、この時間の公園には、誰もいなかった