完璧に忘れられたもんだと思ってた

にししと少し振り向いて笑う葵に追いついて口を開く。

「あー、まぁあれだ。俺って毎回同じ理由で振られんだわ」

「...『優柔不断』?」

「そー。七回連続でだぜ?...俺そんな優柔不断かーって思って」

「ふーん」

葵は顎に手を置いて軽く首を傾げる。

「...まぁ優柔不断だよね」

「なんっ...」