優しい吐息







「悲しいこと言うなよ」

「関係ないじゃないですか」

「そりゃ、そうだけどさ」



困ったように頭を掻く岩淵さん

どうでも良いけど、小さい



「恥ずかしくないですか?」

「何が?」

「小さくて」

「お、嫌な所つくね」

「まぁ」

「でも君よりは大きい」

「女ですし」



ヒールを履いたら越す

祐太とは大違いだ

でも、知られたくない

この人に、祐太を知られちゃいけない



「そうだね」



私たちの世界に、入ってこないで

誰も、入ってこないで……