優しい吐息







「ねえ、今日で何日よ?」

「知らない」

「あの子がいなくなってでしょ?」

「宮川りか。元私立の転入生」



頬杖を付いた女子がニヤッと笑う。



「アンタ親友気取ってなかったっけ?」

「ただ、利用してただけ」

「何に?」



ギシッというほど強く伸びをする

女子は頭をボキボキ鳴らすと

ゆっくり腰を上げた



「う~ん、暇つぶしに?」

「それ、酷」

「彼氏が死んだんでしょ。事故で」

「え、何で?」

「この前の飛行機事故」

「あの人ももう分かってんじゃないの?」

「彼氏は、死んだって」



繋がらない電話を、何度も掛けていた

何度も、何度も

逢いたくて