放課後。
みんなが帰りゆくその中で、朝礼に遅れた私は、罰として反省文を書いていた。
いつもは彩香と帰るのだけれど、さすがに遅くなったら申し訳ないと、先に帰ってもらっていた。もちろん、教室の皆は帰って朝の如く教室には自分ひとり。
火曜日の放課後はサッカーの放練がないため、特に楽しみもない。
唯一ベランダから見えるのは教室に差し込む西日だった。
『唯斗がかっこよすぎて余韻に浸ってました』なんて反省文に書けるわけない。
そもそも今の私にはやる気というものがなくって。
ぽつりと思わず呟いた。
「唯斗がいたらなぁ、捗ったのに。……」
「俺がなんだって?笑」
聞き覚えのあるこの声。理解するのに3秒かかってしまった。
バッっと廊下の方を見ると、ドアにもたれて唯斗が立っていた。
「俺がいると何が捗るの?ってか、なにその紙の量……」
「あっ、朝、朝礼遅れたから…反省文……」
「えー、でも普通に間に合ったでしょ。?」
そう言いながら自分の向かいの席の椅子に座ってこちらを見てきた。
近い。美形がここに。
「いやこれは……その、」
『唯斗がかっこよすぎて余韻に浸ってて遅れた』なんて死んでも言えない(2回目)。
「お、お手洗いいってて……」
盛大に嘘を吐いた。ごめん唯斗。
「なんだ~そんなんだったら見逃してくれてもいーのにね。笑」
「そ、そうだよねぇ~!」
いやいやいや、お手洗い以上の罪を犯したんだよ私……!
少し胸が痛みながらその笑顔を拝んだ。
「そういえば、彩香は?一緒に帰んないの?」
あたりを見回し、首を傾げる唯斗。
心配してくれてるのだろうか。優しいなぁ。
「あっ、私から断ったんだよ~、流石に遅くなったら申し訳ないし。
唯斗は?今日サッカーないはずだよね?」
「あっ、うん、先生に少し相談してて。たまたま通りかかったら居たからさ。」
「そ、そうなんだ~!」
唯斗が相談事って珍しい。単純に質問だったりするのか。それとも、……
何かあるのだろうか。すこし突っかかった。
なにか思いついたように唯斗は手を合わせて笑顔を見せた。
「あ、じゃあさ、一緒に帰る?俺の家どうせ隣だしさ!」
「えっ、いいの?!帰る帰る!」
「よっしゃ、んじゃ下駄箱で待ってるね!」
そう言うと唯斗は出て行った。
…………やった、やった、やった!
こんな、ラッキーな事があるだろうか。
今日はついてる日なんだろう。
反省文はその後5分で済まし、教室を後にした。
みんなが帰りゆくその中で、朝礼に遅れた私は、罰として反省文を書いていた。
いつもは彩香と帰るのだけれど、さすがに遅くなったら申し訳ないと、先に帰ってもらっていた。もちろん、教室の皆は帰って朝の如く教室には自分ひとり。
火曜日の放課後はサッカーの放練がないため、特に楽しみもない。
唯一ベランダから見えるのは教室に差し込む西日だった。
『唯斗がかっこよすぎて余韻に浸ってました』なんて反省文に書けるわけない。
そもそも今の私にはやる気というものがなくって。
ぽつりと思わず呟いた。
「唯斗がいたらなぁ、捗ったのに。……」
「俺がなんだって?笑」
聞き覚えのあるこの声。理解するのに3秒かかってしまった。
バッっと廊下の方を見ると、ドアにもたれて唯斗が立っていた。
「俺がいると何が捗るの?ってか、なにその紙の量……」
「あっ、朝、朝礼遅れたから…反省文……」
「えー、でも普通に間に合ったでしょ。?」
そう言いながら自分の向かいの席の椅子に座ってこちらを見てきた。
近い。美形がここに。
「いやこれは……その、」
『唯斗がかっこよすぎて余韻に浸ってて遅れた』なんて死んでも言えない(2回目)。
「お、お手洗いいってて……」
盛大に嘘を吐いた。ごめん唯斗。
「なんだ~そんなんだったら見逃してくれてもいーのにね。笑」
「そ、そうだよねぇ~!」
いやいやいや、お手洗い以上の罪を犯したんだよ私……!
少し胸が痛みながらその笑顔を拝んだ。
「そういえば、彩香は?一緒に帰んないの?」
あたりを見回し、首を傾げる唯斗。
心配してくれてるのだろうか。優しいなぁ。
「あっ、私から断ったんだよ~、流石に遅くなったら申し訳ないし。
唯斗は?今日サッカーないはずだよね?」
「あっ、うん、先生に少し相談してて。たまたま通りかかったら居たからさ。」
「そ、そうなんだ~!」
唯斗が相談事って珍しい。単純に質問だったりするのか。それとも、……
何かあるのだろうか。すこし突っかかった。
なにか思いついたように唯斗は手を合わせて笑顔を見せた。
「あ、じゃあさ、一緒に帰る?俺の家どうせ隣だしさ!」
「えっ、いいの?!帰る帰る!」
「よっしゃ、んじゃ下駄箱で待ってるね!」
そう言うと唯斗は出て行った。
…………やった、やった、やった!
こんな、ラッキーな事があるだろうか。
今日はついてる日なんだろう。
反省文はその後5分で済まし、教室を後にした。
