August Rush




その日の6限目はホームルーム

クラス委員とか決めたりした後

自由時間みたいになってた。


長谷川くんと一条くんは

またコバンザメ達に囲まれてる。



「このクラスって元気な人多いね〜」

遥がクラスを見渡して言った。

「ねぇ、なーちゃん!」

声の主は長谷川くん、と一条くん。

なーちゃんって、菜々子のこと。

コバンザメ達といたはずなのに。


菜々子と長谷川くんは同じ中学校。

その頃から仲良しみたい。


わいわい話してる中で

一条くんが私の隣にひょっこり。


「柳瀬さんって携帯ある?」

「うん、あるよ!」

「アドレス、聞いてなかったよね?」

「う、うん」

「赤外線ついてる?交換しよ?」

「うんっ!わたし送るね」

「はーい、…あ、きた、ありがとー」




ちょっと手が震えた。

私の連絡先に、一条くんの名前。




嬉しくって、ドキドキして。


うん!うん!って言う私を見て

笑いながら交換してくれた。



あぁ、もう好きって思った。