学校生活にも慣れてきて
少しずつ友達も増えた。
背が高くて姉御肌の菜々子と
おっとり不思議ちゃんの美波。
いつも4人一緒だった。
ある日の朝
全体朝会で体育館に集まった。
4人は名前の順が近いのもあって
始まるまでの間は女子トーク。
「3年生かっこいいな〜。あの人とか!」
美波と遥は好みの先輩を見つけては
キャッキャとはしゃいでる。
「ねえ何で女子って先輩がいいの?」
同じクラスの長谷川くんが遥と美波に言った。
「いや、1、2歳の差は大きいよ?
経験が違うね!経験が!」
遥は声を張って答えた。
菜々子もウンウンなんて言ってる。
そ! れ! よ! り!
長谷川くんの隣に一条くんいる!
話したい!話せない!どうしよう!
「美波は気にしないよ、何でも〜」
って、美波もちゃっかり答えてるし!
もう無理だよ答えられない…
「ねえ、柳瀬さんは?」
一条くんが口を開いた。
「へ?」
「柳瀬さんは、好き?」
わ、一条くんに名前呼ばれた!
…じゃなくて!
「私はっ…
「柳瀬、もう喋る時間じゃないぞ」
えーーっ!やっと話したのに!
担任のタイミング!おかしいよね!
ごめんなさい、小さな声で謝って
長い長い校長の話をBGMにしながら
一条くんの声をリピート。
名前、覚えててくれたんだなぁ。
嬉しい。
