春 〜Hikaru & Yuna〜

それから3ヶ月。
体の変化に気付いた。



生理が来ない。



冷や汗をかいた。



子どもが欲しいとは言った。



でも、それは別に今すぐとかじゃなくて、いつか、いつか家庭を築けたらと思っただけだった。



こんな早くに妊娠するなんて、望んではいなかった。



でも検査をしないとわからないし、決めつけるのはまだ早いと無理矢理考えた。



地方で暮らすお母さんに来てもらって、病院へ行った。




結果は、妊娠3ヶ月だった。


光に嫌われる。


直感的に思った。



『お母さん、、どうしよう…堕ろすかもしれない…』



病院の待合室で涙を流した。



『嫌われる…光に嫌われちゃう…!どうしよう、お母さん…』



「相手がどんな人かは知らないけど、子どもができたってことは…そういうことをしたんでしょ?そんな無責任な男なら別れてお母さんのとこで産みなさい」



そんなの…光を手放すなんて、もっと嫌だ…。



「とりあえず、話して来なさい。何かあったらすぐ電話してちょうだい」



お母さんの優しさが心に染みわたる。




覚悟を決めて、光の家に行った。



何を言われるかわからない恐怖。
挙げ句の果てに殴られでもしたらどうしよう、と。



恐る恐るインターホンを鳴らした。



出て来た光は私の表情を見て察してくれたんだと思う。



真剣な話だと。



小さいテーブルを隔てて正面に座る。



ゆっくり、ゆっくり伝えた。



『妊娠3ヶ月』



光が動揺したのが見てとれた。



あぁ、もうだめだ。


幻滅しただろう。


軽蔑するだろう。



ごめんね、妊娠なんかして、負担だよね。



重荷だよね。



嫌いになっちゃったよね。



必死に懇願した。



離れて行かないで、堕ろしてと言うなら堕ろすから、これ以上嫌いにならないで。




抑えきれない涙を拭いながら。



光の顔を見るのが辛くなって、下を向いた。



すると間もなく光るが立ち上がったのが分かった。



私の後ろへ来た。



蹴られるだろうか、殴られるだろうか。






『一緒に育てよう』






私は勘違いをしていた。



光はとても、優しい子。



自分の身を犠牲にしてでも他人を守る、優しい子。



光の両手が私の肩を包み込んだ。



泣くことをやめられず声を出して泣いた。