春 〜Hikaru & Yuna〜

肝心の次のデートに光は来なかった。



胸騒ぎがして電話をかけまくるけど出ない。


10回以上かけても通じなかったため、トミと千紗に連絡してカフェで落ち合うことになった。



「今日デートじゃなかったの」
「あーあ、ついに逃げられたか」



『………なんか、あったんじゃないかな』




「結奈、恋は盲目って言うじゃん。溺れるなよ」
「最初からそんなもんってことじゃん?気にするだけ無駄」



『でも…どんなに眠くても会いに来てくれる優しい子だよ』



「だからそれは、」
「体じゃん。結奈じゃないよ」



『そんなことない…』



「じゃあ今まであいつに何してもらったか言ってみなよ」
「セフレ時代を除いてさ」



『……………』



「………」
「何もないんじゃん?」



思い付かなかった。


優しくされたことも、何かをもらったことも、なかった。



『でも、まだ付き合ってからは2ヶ月だし』



「結奈、ちゃんと現実見なよ」
「あっちには別に本命がいるんだよ」



『そんな………』




そうだとは思えなかったんだ。










光が退院した後でトミと千紗にも話した。



洗面所で痩せこけて倒れていた光のことを。