春 〜Hikaru & Yuna〜

新しい女を作れって。



そんなの嫌に決まってる。



なんか無性に葵とハグしたい気分だ。



さっきしたばかりなのに。



スマホの着信履歴から葵の番号をタップしてスマホを耳に当てた。



『もしもし?』



「葵、ちょっと来れない?」



『え?今会ってたじゃん』



何も知らない葵は無邪気に笑う。



この関係を終わらせたくはない。




「お願いちょっとだけ」



わがままとも取れる言動で葵を困らせた。



『うーんじゃあおふろ入ってからでもいい?
汗かいてるからシャワー浴びたいの』




「…分かった。待ってるから」




普段の俺はこんなこと言わない。



けど、どうしても怖くて、会いたい。



いつか、誰かの手によって引き裂かれてしまう前に。