春 〜Hikaru & Yuna〜

夢を見た。


懐かしい日々。


高校に行っていた頃の夢だ。


『光…』


誰かが俺を呼ぶ夢。


それに答える俺。


『…葵』



夢の中で読んでしまった瞬間目が覚めた。


なんという夢を…。



「葵さんのこと、まだ好き?」



ドキッ



もう夜になっているらしく、豆電球の下に結奈の顔が見えた。



「え…」



「寝言で言ってたよ。葵って」



最悪だ。



「好きなわけあるか」



「ふぅん。それなら良いけどさ」



なんとなく気に食わない顔をした結奈を抱きしめた。



「結奈…」



最近忘れていた欲が出てきた。



「…キスしていい…?」



「……ん」



甘くてとろけてしまいそうな濃厚キス。


出会った頃を思い出す。



あの頃は愛なんて微塵もなく行為を繰り返した。


求められるから与えただけ。


…今は違う。


愛を確かめたくて、求めた。