春 〜Hikaru & Yuna〜

ひたすらスプレーを吹きかけて順調に思われた作業は、途中で止まることとなる。



まだ開始してから2時間しか経っていない俺の頭に鈍痛が走った。



ズキズキ痛むやつ。




まるで血液が送り出される度に大きく脈打つよう。



休憩までは程遠い。



我慢しないと迷惑がかかる。



そんな俺の思いとは無関係に頭痛は激しくなって行く。



鈍器で殴られているみたいだ。




「…っ…」



スプレー状の器具を持ちながらついにしゃがんでしまう。



流れるベルトに当たらないように手をかける。



こんな頭痛初めてだ。



もはや痛いのは頭だけなのか分からないくらい激痛だった。



少しすると、しゃがみ込む俺に気付いた先輩社員たちが駆け寄ってきた。


そのせいであちこちの作業は中断され、多大な迷惑をかけてしまった。



「山城くん、医務室に」
「頭が痛いの?」
「大丈夫?しっかり…」



あちこちからぐるぐる廻る声たち。


目眩がする。



地面が歪むように、床に手をついた。