春 〜Hikaru & Yuna〜

遠くで聞こえる泣き声。



それをあやす結奈。



遠くない。
真横で聞こえるその声に目が覚めた。



「…結奈」



「ごめん、起こしちゃったね。なかなか泣き止んでくれなくて」



豆電球しか明かりがない部屋に、座ったまま体を揺らして落ち着かせようとする結奈の姿が見えた。



「ふぇえ…うぎゃああ、うぎゃあああ…」



「結奈」



泣き声に困り果てた結奈に、俺の左腕に愛菜を乗せるよう言った。



戸惑いながらも愛菜を渡して不安そうな顔をした。



俺が抱っこすると泣くからなぁ。



腕に乗せられた愛菜を包み込むように目を閉じた。


すると間も無く、愛菜の寝息が聞こえてきた。



俺の体と愛菜の小さな体が密着する。
小さいのに、よく頑張ってるなぁなんて思いながら眠りに落ちた。