あの時君が伸ばした手は

「事故の可能性はないの?」

僕のパソコンを覗きながら彼女は言った。


あれから移動して僕の家に二人で来た。

「ゼロではないね。でも柵は丈夫だし、足滑らせるにはちょっと無理があるし。」

「柵の向こうに何かが落ちてそれを拾おうと柵を越えたら足を滑らせた。っていう可能性は?」

それは考えてなかった。

「考えられるけど……何を落としたの?」

「それは分からないけど……。ケータイとか?」

ケータイ?