あの時君が伸ばした手は

「いや、知らなかった……。」

「表向きはみんないい人ぶるけど、裏の顔はとんでもないのよ。裏表が無いのは香菜とあんたくらいね。」

「それはどーも……。」

素直に喜んでいいのかよく分からなかった。

諸星さんはともかく、僕はただの馬鹿と言われているように聞こえたからだ。


僕がうつ向いて黙っていると桐谷さんが言った。