あの時君が伸ばした手は

「私だって同じ。あんたの気持ちを香菜に教えなかった。気づいてたのに。あんたを取られたくなかったから……。」

僕らの罪は重い。

法で裁かれない分、さらに重く肩にのし掛かる。

でも桐谷さんは言った。

「でも、そんなことだけで香菜は自殺なんかしない。理由は他にもあったはずよ。」


確かにそうかもしれない。

いつも前を向いている彼女が、好きな人に振り向かれないからって自殺なんて……。