あの時君が伸ばした手は

「何日か前に半年後の家族旅行の話をしてて、楽しそうに意見言ってたって。」


「自殺するなら不自然だな。」


「カムフラージュかもしれない。自殺するって知られないための。」


「でもそんなことして何のメリットがあるの?」


「だから自殺をとめられないようにとかじゃねぇの?」


「それなら遺書がないのはおかしい。死んでしまうなら遺書くらい残してもいいんじゃない?」

僕の一言でみんな黙った。