あの時君が伸ばした手は

木の下に立っていたのは諸星さんだった。

でも不思議と違和感は無い。

制服姿の諸星さん。

茶色がかった長い髪がそよ風になびく。


僕は隣に立った。

彼女はキンモクセイを見上げながら言った。


「私、キンモクセイが好きなんだ。」

「知ってる。」


僕も見上げた。