あの時君が伸ばした手は

「何それ、オルゴール?」

立ち上がった桐谷さんが覗き込む。

「そうみたい。」

オルゴールの蓋を開けた。

流れたのはクラシックだった。

その時、僕は異変に気づいた。

オルゴールの中の中蓋がぎこちなく歪んでいる。

爪を立ててガリガリすると呆気なく蓋が取れた。