あの時君が伸ばした手は

「うん。昨日香菜の親が捜索願を出してて、今朝杉浦海岸に遺体が上がってるのを地元の住民が発見したらしいの。それで……。」


「ちょっと待って。」
江角が口を挟んだ。

「なんでそんな情報を隅田が持ってんだ?家族でもないのに。」

「あぁ……。それは私が一番香菜に近い存在だったからじゃないかな?」

隅田さんは少し虚ろな目で言った。