私…!マオをりょーた君だと思ってたんだ…!!
 このまま溶けてなくなりたい…!しかも私は裸で、マオはパジャマを着ている。自分が情けなくて、また悲しくなってきた。
 マオがますます強く私を背中からだきしめてきた。
 そして耳元で「酔ってる子を襲うのはしない主義なんだ」と、ささやく。
 「…で、無理やり襲うこともしないんだ」耳を軽く噛まれた。ちょっと、待って…! 
 「僕の正直な気持ち。ともちゃんに興味がわいたんだ。僕とりょーたくんを間違えるなんて、ちょっと男として悔しかったよ。」
 「…耳を噛まないで」
 マオは耳を噛むのをやめて、今度は首筋に軽くキスをした。 
 「…ねえ…期間限定で付き合わない?」
 「…期間限定?」
 「そ。3ヶ月でいいんだ。僕は期間限定の彼女探してるんだよね。ともちゃんの失恋の傷を癒すのに僕は役にたつよ、きっと」
 「…なんで期間限定?」
 「それは、また後で話すよ。今日は…仕事は?」
 「…休み」 
 「じゃあ、ゆっくり後で話すよ…今はとりあえず…どうする…?襲っていいのかな」
 マオは…ずるい。首筋から肩にかけてキスをしながらゆっくり話すなんて卑怯だ。
 「断るなら今しかないよ?」
 私は何にも言えなくなった。なぜ断れないのか自分でもわからない。マオはゆっくりそのまま私を自分の正面に向かせて、顔をゆっくり近づける。初めてマオの顔をまともに見た。
 少したれ目で睫毛が長く、鼻筋が通っていて…癒し系な顔立ちなのに積極的で…そのギャップがセクシーなのかな。
 「…本当にいいの?」
 私は黙ってうなづいた。「僕に全部任せて」ゆっくりマオの唇が私の唇にふれた。