「…ごめんなさい、それは出来ません」 「…っ、どうして?奈緒ちゃんは、春じゃなくてもいいでしょう?…奈緒ちゃんは春の事何も知らないでしょう?…私の方が春を知ってる。春の体温も、キスも、優しい所も駄目な所も、私の方が知ってるのっ」 ズキッと傷付けられたのは何回目だろうか… もうそろそろ、精神的に来そうだった。 「…百合さん、落ち着い」 「お願い!返して!何でもするからっ」 泣きじゃくって手のつけようがない百合さんの手を握り返す事しか出来なくて、そんな自分に嫌気がさす。