彼の気持ちに応えようと、わたしは一歩踏み出した。 一瞬見えた彼の顔はどこか満足気に微笑んでいた。 彼はきっとわたしが言いなりなのを愉しんでいたんだろう。 そんなことはとっくにわかっていた。 速い速いスピードで落下していく体。 もう終わる、わたしにとってはもう十分な人生だったかもしれない。 不意に意識は飛んでいった。