けれど、それをきっかけにして、私は彼とよく話すようになった。
当時やっていた仮面ライダーの話や、ロボットアニメの話をしたのをよく覚えている。
その頃は、毎日が楽しくて、"ただ学校に行く。"
それだけで心がはずんだ。


そしていつの間にか、私は彼を好きになっていた。
ただ目が合うだけで、嬉しいような、恥ずかしいような、不思議な気持ちになった。


それから毎年、バレンタインには必ずチョコをあげた。
初めてあげた時は、彼は少し驚いた顔をしたけれど、断らずに受け取ってくれた。
そして彼は、必ずホワイトデーにお返しをくれた。


そして小学6年生のとき、バレンタインのチョコに添えた手紙に、私は勇気を出してこう書いた。
「私のことどう思ってる?」
と。
私は彼と行く中学が違ったから、ちゃんと関係をはっきりさせたいと考えたのだ。
そうしてホワイトデーにその返事を聞くと、返事ははたまた一言。
「嫌いじゃない。」
だった。