―――準備を全て済ませた私は椿さんと他愛のない会話をしている。
気づけば、部屋の中は綺麗に着飾った夜の蝶でたくさんだ。
化粧直しをしたり、スマホを弄ったりなど好きな事をして出勤時刻まで時間を潰している。
その時。
―――――バンッ!!
突然扉が大きな音を立て開いた。
皆の視線が扉に集中する。
そこには先程少し話した黒服の男が。
走ってきたのか、呼吸が荒い。
「ちょっと!ビックリしたじゃない!」
夜の蝶が黒服に文句を言う。
確かに、びっくりした。
こんな切羽詰まった表情、何かあったのだろうか。
「……はぁ、すいませんっ………今、オーナーが、店の前にいますっ……」
「「「え!?」」」
『!!』
あまりの驚愕の声にビクリと身体が反応する。
「え!?来店するのは来週じゃないの!?」
「嘘でしょ!?」
「早く行きましょ!」
皆、言葉とは裏腹に凄い笑顔で部屋を出る。
『?』
訳が分からず皆の姿を見据える。
