『……ぁりがとうございます…』
小さな声でそう口にする。
「…ふふ、それでいいのよ」
目を細め笑った椿さんに私も小さく笑みを返した。
「―――――でーきた♪」
20分かけ髪型、ネイルをやり終えた。
椿さんは化粧道具等を片付け、ロッカーにしまったかと思うとなにかを探している。
その姿を鏡越しから静かに見据える。
すぐに戻ってきた椿さんの持っていたのは靴と鞄。
はい、と差し出されたのはシルバーのピンヒールと同じくシルバーのクラッチバッグ。
『ありがとうございます』
それを受け取り、身に付けた。
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