「―――出来たわよ」
15分程で終わった化粧。
『…わっ……』
あまりの出来栄えに思わず声が漏れた。
たった15分でこんなにも変わるのか…。
「…ふふ、ひとみちゃん元々綺麗な顔立ちだからあんまり弄らず、そのままの素材を生かしたかったの」
笑顔で私を見据える椿さん。
「あー久々のナチュラルメイク、楽しいわね!」
ふふふ、と綺麗に笑う椿さん。
……綺麗だな。
思わず見惚れてしまう。
「…じゃあ次はヘアメイクね!」
そう言って今度は櫛とヘアアイロンを取り出した。
私の髪を綺麗に櫛で溶かしていく。
「……どの髪型がいいかな…」
溶かしながらボソッと呟く椿さん。
『………凄いですね、椿さん』
ふと、そんな言葉が口から漏れた。
「え?」
椿さんは髪を溶かす手を止め、首を傾げた。
そんな姿まで絵になる。
