トイレを出るとスマホを弄っていた椿さんは手を止め、私を見据えた。
「…うん、いい!凄くいい!!」
数秒の沈黙の後、椿さんが私の元に駆け寄り目を輝かせた。
「よしっじゃあメイクしよっか!」
そう言うと、椿さんは私の腕から服を取り自分のロッカーの中に入れ、私を椅子に座るよう促した。
言われるがまま、大人しく椅子に座ると、ロッカーから黒色の大きな箱を出し、机の上に置いた。
開けると、たくさんの化粧道具が。
綺麗に整頓されており、ブラシも新品のように綺麗。
ヘアクリップで前髪を止め、化粧を始める。
今日は休日の為、化粧は口紅しか塗っていない。
なので面倒な化粧落としはせず、すぐに化粧が出来た。
