新・鉢植右から3番目



 でも実際は、そんな言葉はなく、淡々とした事務的な連絡だけ。もしかしたらサプライズが好きなやつの、宝探しゲームがまた始まるのかも~なんて思ってしまったから余計に凹んだ。

 ・・・・あううううううう・・・。このまま夫婦は壊れていくのかしら。

 私の頭の中には自分がヤツに投げつけた言葉がいつまでも回っている。「触らないで」、あの一言と、見開いたヤツの目が。

 ぐ~るぐるぐる~と回るのだ。

 もう、自分の脳みそを外して洗濯機に突っ込んで、漂白までしてしまいたいほどだった。

 そんなこんなで時は私だけを置いてけぼりで、サラサラと流れていったのだ。

 暑い暑い夏。庭の緑も皆が疲れてます~って感じで日に当てられていた。椿を枯らせてしまったショックから水やりだけはするようにしたけれど、悲しくなるから椿のほうは見ることが出来ないし、何となく意識が庭にむかない。だから大したことはしていないに違いなく、産後の体は既に完全に治った状態の私もバテ気味だったのだ。

 そして、それは娘の桜もだった。

 最初はちょっとした風邪程度だった。

 悩みすぎたからか元からの体質か、母乳があまりでずに4ヶ月で断乳して粉ミルクに変えていたので、私の風邪がうつったのかもしれない。免疫力はうつっているはずだけど、生後7ヶ月の娘は風邪を引いてしまったらしいのだ。

 こんな小さな鼻から大量に鼻水を出し。呼吸がしにくそうでウンウンと唸っている。・・・鼻に私が口つけて、吸い込む?そしたらマシになる?とか考えるほどに、苦しそうだった。