「なー司稀たちいるー?」
そう言って昼休みに私たちの教室に入ってきたのは学年で1番モテていると言われている二海 翔(ふたみ ひろ)君だった。
「きゃーひろ様よー。」
「こっち向いてー」
二海君の人気は絶大で、同じクラスになれたら一生幸せになれるというジンクスまでできるほどだ。
「なんだよー翔ー」
「庚(かのえ)がお前らを呼んでこいって。」
一式 庚(いっしき かのえ)君は彼らをまとめるリーダーみたいだ。
ただ誰も一式君の姿を見たことがない。
学校のどこかにいるみたいだが、教師とて知らないらしい。
知っていることはいつも定期テスト満点の天才だということだ。


