ひとつ屋根の下



重たい病室のドアが開いた。

中に入ってきた人に私は見覚えがあった。


「先生?!」


私たちの担任の先生はイケメンズにも劣らないぐらいイケメンと言われていて、愛梨も先生にベッタリだった。

しかし優しそうな雰囲気、目元、顔の輪郭。言われてみればお父さんそっくりだった。

むしろ気づかないほうがおかしかったと思う。


「久しぶり、洸。今まで隠してて悪かった。俺は君のお父さんの十個下の弟だ。と言っても俺が小さい頃兄貴が縁を切って、お互い全くあっていなかったから。」


そういう先生の顔は少し悲しそうだった。

きっと先生もこんな再会は望んでいなかったのだろう。


「すみません少しふたりっきりにさせて貰っても?」

「すみません。」

「いえ。」


先生がそういうとお医者さんと看護師さんは席を外した。