ひとつ屋根の下



「今何日ですか?」


私はふと日付が気になった。


「事故から一週間経っています。」


お医者さんはただ淡々と私に話してきた。


一週間。恐らく通夜も葬式も終ってるんだろうなと思った。


「八神さんの親権なんですが...」


私は親権が移れる人なんて思いつかなかった。

実は私と春には祖父母たちがいなかった。

お父さんとお母さんが18の時に私ができ、両親と縁を切ってまで私を産んでしまったからだ。

祖父母の援助を全く受けず、私のことを育ててくれたことはとても感謝している。

その感謝を返せなかったことが、今さらながら後悔となって私の背中に乗った。


「お父さんの弟さんが引き取られるのそうです。」


私は一瞬自分だけと世界が止まってしまったかのように思えた。

そもそもお父さんに兄弟がいること自体知らなかったし、どんな人なのか想像もつかなかった。



「今、お見舞いに来てくださっているので通してもいいですか?」


私はお父さんの弟という人にとても興味が出たので二つ返事で答えた。