ひとつ屋根の下



そして目が覚めると私に繋がっていた大量の電子機器は消え、部屋も少し小洒落た個室になっていた。

すると、ドアがノックされ、外から担当医っぽい人と看護師さんがはいってきた。


「お身体のちょうしどうですか?」

「まだおもいですが、なんとか動かせます。」

「よかった。外傷は酷かったですが、後遺症は残らなかったみたいですね。ほんとに奇跡です。」

「そんなに凄い事故だったんですか。」


私がそう聞くとお医者さんは口を詰むんでしまった。


「八神さん一家が乗っていた車は大破して、残念ながらご両親は即死で妹さんも、手は尽くしましたが、残念ながら。」



残念ながら


この言葉の次の言葉がわからないほど私も子どもではない。




大破 即死


どんどん知らない言葉が私の中に入ってくる。





「そうですか。」


お医者さんは驚いた顔をしていた。

無理もない。どうしてこんなに落ち着いているのかと私も自分が不思議なぐらいだ。