連れてこられたのは、何の変哲もない公園。
「なにここ?」
「公園。」
分かるけど…。
ポッケに両手を突っ込んで、ハルは続ける。
「ムカついたこととか納得できねえことあったら、ここ来てんだよ。」
「へえ…。」
「ベタだろ?」
ここがハルの大事な場所なのかな。
よく分からなかったけど、ハルがこの場所を教えてくれたことが嬉しくて。
連れてきてくれてありがとう。
そう言えたらいいんだけど。
「ベタだね。」
なんて僕も素直じゃないよね。
「俺、誰かを想って〜とか、誰かのために〜とか好きじゃねえ。」
突如そんなことを言い出したハルに、僕は上手く言葉を返せなかった。
「里香とかリュウとか無条件に人信じて他人のために動いてアホみてえ。あいつらみたいのが、裏切られてバカ見んだよ。」
ハルは大っきな桜の木の下にあるベンチに腰掛けながら、長い脚を組んだ。
悪態ばっかりついて!なんて怒る里香ちゃんがここにはいない。
そんなこと言うなって笑うリュウもいない。
僕しかない。
「この世界は悪いことばっかりじゃないとか、明日はいい日になるとか、んなもん偽善者が創り出した創造の世界だろ。」
だから、僕がハルの話を聞こうと思った。


