「それじゃあ、あとの3人も紹介するね。」
里香がそう言って残りの3人を並ばせる。
椅子から飛び降りた2人と、リュウに抱っこされたままのガキ1人。
俺に背を向けて立つ那月に、向かい合わせに並んだ末っ子組は笑顔を向ける。
と、急に俺の携帯が鳴った。
ポロンと軽快に鳴った携帯は、友達から他愛もない内容のメールを知らせた。
それを適当に返そうとして携帯を開いたとき。
「新しいお兄ちゃん?」
高い声と、がっちり何かが足にしがみつく。
足元に目を向けると、声の主であるスミレが目をキラキラさせてこっちを見ていた。
満面の笑みだ。
「ねえハル。この人新しいお兄ちゃんだよね!」
「ん、自己紹介してこい。」
「じこしょうかい?」
「スミレです、って挨拶のこと。」
スミレの向きをくるっと180度変えた。お尻をポンと押して里香の元へ送り出す。
「じゃあチビたちの代わりに、あたしが紹介するね。」
里香は1番右にいたソウタの横に背丈を合わせて膝立ちをした。


