「初めまして、椎名 龍平(しいな りゅうへい)です。15歳の高1で好きな食べ物はハンバーグです。よろしく。」
俺と反対側の席に座るリュウが立ってそう言った。
リュウ独特の安心感のある柔らかい笑顔付き。
この位置だと、いつもリュウがつけてるシルバーネックレスが光に反射して眩しい。
背が高くて、硬派な爽やか少年って雰囲気のリュウは、ゴツめだけどそのシルバーネックレスがやけに似合う。
「じゃあ次はリカかな。」
リュウがリカに引導を渡した。鎖骨まで伸びたリカの栗色の髪が揺れる。
「佐伯 里香(さえき りか)です。里の香りでリカっていいます。リュウと同じで15歳、高1です!好きな食べ物は、お寿司!ってことでよろしくね、那月クン。」
里香はニコッと笑った。
那月も小さく笑って返した。
「よろしくお願いします…。リカさん。」
「え!里香でいいよ〜!」
「えっ。」
「里香がリカさんってなんかうける。」
「ちょっとリュウ。失礼ね。」
リュウの言う通り、リカさんって変な感じ。さんってタマじゃねえし、こいつ。
「じゃあ、那月クンは“なっちゃん”だね!」
「なっちゃん!?」
「うん、なっちゃんって呼ぼう〜。」
里香の決定案に当の本人はたじろいでいた。


