「まず、みんな知ってるけど今日から家族が増えます。鷲見 那月くん。自己紹介してね。」
ガチガチのそいつを晃が促す。
大丈夫かお前。
「鷲見 那月です……。…12歳です。えっと、今日からよろしくお願いします…。」
「はい、拍手〜。」
消えそうな声。怯えたような表情。
ナヨナヨしてる。
これが、那月の第一印象。
肩をすくめて声を振り絞った鷲見那月と名乗る男の子。
綺麗な名前だと思った。
「まあ、今さら言うまでもないけど、今日からは8人で頑張っていこうね。」
上機嫌な晃と対照的に新入りのガキの顔が、今にも噴火しそうなぐらい赤くて笑えた。
緊張しいなんだな、こいつ。
「しつこいけど、私は四宮 晃。で、さっき言ってたみんな。兄弟みたいなもんだから。リュウから自己紹介してね。」
那月に晃は優しく笑って、リュウに呼びかけた。


