first・きす

山内那奈星side

ガラっ

勢いよく開いたドアに驚いてしまった。

｢待たせちゃってごめん。
じゃあ会議室行こうか？」

という高瀬くんに返事をし、会議室へ向かう。

｢｢…｣」

き、気まずい…
何か話さないと…
でもなんて話しかけたらいいんだろう…

ちらっと高瀬くんの横顔を見た。
（綺麗な顔だなあ、そりゃもてるなあ）
と考えながらじっと見ていると、
高瀬くんが気づき、
｢どうした？」と聞いてきた。

｢ご、ごめんなんでもない！」

そう言った時、ちょうど会議室についた。

（あ、ついた…）
と、少しホッとした。

ドアを開けようとすると高瀬くんが

｢先どうぞ」とドアを開けてくれた。

｢あ、ありがとう。」

（…レディーファーストってやつ…
高瀬くん優しいんだな…）

そう思った時、先輩が声をかけてきて、
紙を渡してきた。

｢｢ありがとうございます｣」

あ、またかぶった。

高瀬くんの方を見ると高瀬くんもこっちを
見ていた。
ぷっと2人で笑ってしまった。

（…高瀬くん、いい人だな）

そう思いながら先輩の話を聞いていた。